を感じる vs. に感じる

ichfrage

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Chinese
を感じる vs に感じるの差別についての問題

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例文:
1. 努力が報われないと不安に感じる人に小峠英二の言葉を贈りたい。
2. 儚さを感じる枝垂れ桜だった

私の質問はいつ“に感じる”、いつ“を感じる”を使いますか?
Googleでこの問題を検索すれば、あんまり明確な答えが見つからなかった。二つとも“名詞につける”形で表現されますが、違いがありますか?

1. 努力が報われないと不安を感じる人に小峠英二の言葉を贈りたい。
2. 儚さに感じる枝垂れ桜だった
そのように置き換えることができますか?

ありがとうございます
 
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  • 1. 努力が報われないと不安を感じる人に小峠英二の言葉を贈りたい。:tick:
    2. 儚さに感じる枝垂れ桜だった:cross:
    人が不安を感じる:tick:
    人が不安と感じる:tick:
    人が不安に感じる:tick:
    人が不安も感じる:tick:

    人がサクラに はかなさを感じる:tick:
    人がサクラに はかなさと感じる:cross:
    人がサクラに はかなさに感じる:cross:
    人がサクラに はかなさも感じる:tick:

    「を感じる 」と「も感じる」は、オールマイティーに使用できるようです。(ただし「も」を使う場合は別の意味になる。)
    「○○(名詞)を/と/に/も 感じる」という場合の○○(名詞)を感じている対象がヒトの場合は、を/と/に/も のすべてが使用できます。
    ○○(名詞)という感情をヒトが対象物に対して抱いている場合は、を/も は使用できますが、 と/に は使用できないようです。

    しかし!

    人がサクラを はかなさを感じる :cross:
    人がサクラを はかなさと感じる:cross:
    人がサクラを はかなさに感じる:cross:
    人がサクラを はかなさも感じる:cross:
    人がサクラを はかないと感じる:tick:  この場合は「はかなさ」では文が正しく成立しません。

    人がサクラを はかないを感じる :cross:
    人がサクラを はかないと感じる:tick:
    人がサクラを はかないに感じる:cross:
    人がサクラを はかないも感じる:cross:

    ○○(形容詞)という感情をヒトが対象物に対していだいている場合は、「と」しか使えないようです。

    文法的に完璧な使い分けを説明するのは私には難しいと思いました。
    多読精読により、ひとつひとつ覚えていくしかないかなと思います。
     
    Last edited:
    「[誰か]が[ある対象]を[対象への感情]に感じる。」という構文があります。この構文でヲ格を取る内容が文脈から明らかな場合には,ヲ格を省くこともできます。SoLaTiDobermanさんの "人が不安に感じる"は,その例ですね。また,元の例文1も同様に解釈できるのではないかと思います。つまり,
    努力が報われないと(, そのこと) 不安 感じる人に小峠英二の言葉を贈りたい。

    インターネット上での例文には,次のようなものがあります。
    月曜を憂鬱に感じる「サザエさん症候群」とは
    感染を不安に感じる県民を対象とした無料検査
    フリーアドレスを苦痛に感じる社員がいる現状
    普段過ごす場所を快適に感じる温度

    上の構文と補語の配置が逆になっている構文が,SoLaTiDobermanさんの"人がサクラ はかなさ感じる" ですね。この構文を使って例文を書き換えることもできますね。「不安」は名詞でもナ形容詞でもあるので,そのままでも大丈夫ですが,「不安感」の様な名詞に替えると違和感が少ないかも知れませんね。
    努力が報われないと(, そのこと) 不安(感) 感じる人に小峠英二の言葉を贈りたい。

    助詞の「も」は「を」や「に」と同レベルにあるものではないので,「を」や「に」と直接対比することはできませんね。
    人が桜に儚さを_感じる <-> 人が桜に儚さ(を)感じる
    人が([何か]を)不安に_感じる <-> 人が([何か]を)不安に感じる

    後日,一番目と二番目の構文についての記述 (少なくともそれに近いもの)が「基本動詞ハンドブック」にあることを発見したので,参考にして下さい。8番と9番の記述が上記の構文に一番近いのではないかと思います。
    9 評価の知覚
    文型②<人>は<ものごと>を<評価・気持ち>感じる
    > ものごとに対して評価的な感覚を覚える
    8 印象の知覚 文型 <人>が(<人・もの>に)<印象>を感じる
    > 人・ものに対して何らかの印象を覚える
    感じる | 基本動詞ハンドブック
     
    Last edited:
    早速『基本動詞ハンドブック』に挙げられた形容詞のリストを使って(s. v. 感じる §9 コロケーション)、どの形容詞が名詞化しにくいのか考えてみました。詮ずるところ、「を感じる」と「に感じる」の違いは名詞を補語とするか、形容詞の連用形を補語とするかに尽きるからです(こう一般化することでナ形容詞だけでなくイ形容詞も分析の対象とすることができる)。名詞版の構文が不自然な例だけを挙げます。

    運転手さんは疲労感から帰りの方が長く感じるかもしれません
    *帰りの方に長さを感じる

    大人になると時間が早く感じる
    *時間に早さを感じる

    鉄のほうが冷たく感じる
    ??鉄のほうに冷たさを感じる

    「鉄のほうが冷たく感じる」については、不自然に感じたり自然に感じたりして判断が難しかったです。上の二つだけに限定すると、名詞版には、形容詞版にはない、客観的または外在的な基準が感じられます。これが「感じる」という動詞の持つ主観性、内在性と衝突するのではないでしょうか。そう考えると、「鉄のほうが冷たく感じる」も木材と比較するという相対的な基準に基づく判断を示しているのに対し、名詞版だと絶対的な冷たさ、例えば10度の外気にさらされた鉄の冷たさのような意味を持つようにも感じられます。形容詞版と名詞版では構文の持つ意味に差異が生まれるわけで、文脈によっては一方が相応しくないと判断されることもあるのではないでしょうか。


    ちなみに用例9には
    「この語義には文型①と文型②の表し方があるが、共起する語彙に着目するとゆるやかな使用傾向(どちらの文型でも使えるが、どちらかに使われる方がより多い語彙)がある。以下にそれぞれの語彙を示す。
    という解説がついているのですが、以下にあたる箇所が欠落しているので、どんな語が
    文型①<人>は<ものごと>が<評価・気持ち>感じる
    文型②<人>は<ものごと>を<評価・気持ち>感じる
    の構文のいずれを好むのか知ることができませんでした。残念です。
     
    Flaminius said:
    詮ずるところ、「を感じる」と「に感じる」の違いは名詞を補語とするか、形容詞の連用形を補語とするかに尽きるからです(こう一般化することでナ形容詞だけでなくイ形容詞も分析の対象とすることができる)。
    仰る通りです。「[補語]に」とするよりも「[イ形容詞/ナ形容詞連用形]」と記述した方がはっきりしますね。補語が「名詞」の場合でも,「に」は格助詞ではなくて「だ」の連用形の「に」と見ることができるのではないかなと感じています。
     
    質問。「に感じる」が名詞の補語をとる例にはどんなものがありますか? 上の方で「不安に感じる」において「「不安感」の様な名詞に替える」と述べておられましたが、「*不安感に感じる」は不可能です。
     
    Flaminius said:
    「*不安感に感じる」は不可能です。
    仰る通りです。私も,基本的にはFlaminiusさんと同じ見方をしています。ですから,「基本動詞ハンドブック」の文型の記述ももう少し具体化しても良いのではないかなと感じています。ですが,インターネットで "*を*に感じる" を使って例文検索をした際に,「[名詞]に」と見られる例文を幾つか発見したので,「に」は「だ」の連用形と見ることができるのではないかなと思った訳です。そうすれば,「連用形」で揃えられるので。「[名詞]に」と見られる例文は,
    「ストレスを感じるとき」を聞くことで、仕事に置き換えたらどんなことを負担感じるのか、「地域の発展のために働くことを誇り感じる」
    何をストレス感じるか、ストレスにどのように対応するか、
    フリーアドレスをストレス感じる原因とは?
    ミネラル感を感じる
    有機農家は植物工場を脅威感じるべきだ.
    農業を魅力感じる教育を 各地域の農業教育高度化を支援
    など。
    ここに挙げた例は,「基本動詞ハンドブック」を利用すると,次の部類に入るものでしょう。私自身も同じ構文を使います。ですから,"[X]に"ではなくて,"[X](だ)と"と言います。
    10. 直観的評価の表示
    > ものごとに対して直感的にある評価を持ったことを表示する
    文型②<人>は<ものごと・人>を<評価>と感じる
     
    なるほど、よくわかりました。確かに「〜に感じる」の補語が名詞でしかあり得ない例があるのですね。ナ形容詞とも名詞とも解釈可能な用例ばかりではないということに留意すべきですね。ちょっと話が逸れるのですが、挙げられた例文のうち、「ミネラル感を味に感じる」はこの構文ではないでしょう。他の用例と違い、「ミネラル感は味だ」と言い換えができません。

    この言い換え及び構文の形容詞版との整合性から、「農業を魅力に感じる教育」など構文の名詞版でも「に」は動詞性成分である、つまり「だ」の連用形と考えるのが自然でしょう。
     
    Flaminius said:
    例文のうち、「ミネラル感を味に感じる」はこの構文ではないでしょう。他の用例と違い、「ミネラル感は味だ」と言い換えができません。
    正直なところ,私には例文の意味が分かりません。形容動詞的な意味に取れる用法に,
    ❹ 《多く「━な」の形で》気のきいた、しゃれた、手ぎわがよいの意。 「なかなか━なまねをする」 「縁は異なもの━なもの」
    味|広辞苑無料検索 明鏡国語辞典
    というものがありますが,これにするともっと分からなくなって来ます。

    伝統文法では「形容動詞」は活用語として扱われるので,「に」は形容動詞の連用形語尾ということになっていますが,形容動詞という品詞を認めずに「名詞」の一種と見る立場に立つと,「に」は「だ」の連用形ということになります。上に挙げた例をも記述できる様にするには,「[名詞]に」も文型に含めなければならないと思います。この構文において「[X]に」に現れることができる名詞とそうでない名詞があることを見ると,「名詞」自体の内でも意味的に細かい区分があるということですね。つまり,
    「形容動詞」<->「形容動詞寄りだが, まだ名詞」<->「名詞」
    みたいにContinuumとなっていると見た方が良さそうですね。

    そうすると,もう一つの構文 "[A]は[X]に[Y]を感じる" の「[X]に」と区別し易くなるのではないかと思います。ここの「に」は格助詞でしょうから。明鏡国語辞典の記述を基にすると,
    [格助]
    (Ⅴ)動作や作用・状態のきっかけとなる物事を表す。
    ㋠ 感覚や感情が生じるきっかけとなる物事を表す。
    「無責任な態度憤る」 「美しい音楽うっとりする」 「事故の善後策悩む」 「突然の訪問とまどう」
    ということになると思います。辞書内の例文はここで問題になっている構文に合いませんが,「に」自体の機能は,構文中のそれと同じだろうと思います。少なくとも,私自身の語感ではそうです。
     
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