文章を簡潔に、あるいは単純に短くしたいからだと思います。
「組織との前提で」の部分を丁寧に表現すると、「組織である、と言うことを前提にして」と、なります。この文章を少しでも短くしたいと思った場合、動詞「して」を使うのをやめて、「組織である、と言う前提で」と書くことができます。さらに、「である」も必須ではないので省略すると「組織と言う前提で」となります。
さて、この文中に残された「と言う」ですが、この「言う」に「話す」という意味は既に無く、先行する文の内容をひとまとめにする役割を持つだけになっています。そのような場合には「と言う」と漢字を使わずに「という」と書くことも多いようです。例をあげると、
「すばらしい」というお誉めの言葉をいただいた。
「おまえのせいだ」という批判があった。
などで、このような場合、言うの名残のある「という」を避けて、同一であることを示す「の」を利用し、
「すばらしい」との誉め言葉をいただいた。
「おまえのせいだ」との批判があった。
とすることが少なくありません。その結果、「組織との前提で」という表現になります。